宝島の原本を求め久しぶりにソリチュードへ帰港したノーザンカーディナル号。しかし宝島は何者かにより盗みだされていた。
ウィンキングスキーヴァーにて昼食をとるメアリたち。
インガルス
「そろそろ次の航海の計画をたてなきゃな。ソリチュードに来た当初の目的は果たせなかった訳だし。」
メアリ
「そのことなんだけどさ、宝島を盗んだのって黒ひげの一味の仕業だと思うんだ。」
エリザベス
「私もそう思います。他にわざわざあの本を盗む人なんていない。黒ひげは宝島の本を読んで財宝に関する何らかの確証を得たに違いありません。」
アン
「じゃあ結局黒ひげを探して本を奪い返すしかないか。」
シン
「だが黒ひげのアジトは知られていないんだろう?どうやって探すんだ。」
メアリ
「前にも言ったけど黒ひげを探すよりシルバーの財宝を探そうよ。」
インガルス
「だからその財宝を探すために黒ひげから宝島の本を取り返すんだろ?」
メアリ
「本を取り替えしてってヴィエルモさんに頼まれれば別だけど、例え海賊でも自分の目的のためだけに誰かを攻撃するっていうのはわたしはイヤ!」
インガルス
「まぁ言いてえ事はわかるが...向こうから襲ってくるかも知れないんだぞ!」
メアリ
「その時は戦うよ。わたしは自由にこの海を冒険したいの。邪魔をするならわたしも退かない。その為に海賊を名乗ってるんだもん。わたし達はわたし達のやり方で探そうよ。それがロマンでしょ?」
インガルス
「ロ、ロマン!!言われてみれば確かに...」
シン
「夢追いインガルスが冒険のロマンを忘れてたか?」
アン
「そうだね。財宝も大事だけど、あたし達は冒険を楽しもう。」
エリザベス
「宝のために問答無用で誰かを襲っては黒ひげと同じですもんね!」
メアリ
「そうだよ!確かに危険はあるけどそれでこそ冒険だもんね!」
メアリは満足気に笑った。
メアリの冒険へかける思いに共感したクルー達。新たな冒険へ、士気が高まる。
アン
「おっしゃ!そうと決まれば早速準備しよう。」
インガルス
「長い航海になるぞ。物資を買い込め!」
メアリ
「 コルプルスさん、私たち今日出航します。お世話になりました!」
コルプルス
「そうか。またいつでも遊びに来てくれよな!」
クルーたちはそれぞれ船出の準備のため街へ繰り出した。
吟遊詩人大学にて
エリザベス
「ジラウド先生!お願いがあるんです!」
ジラウド
「ど、どうしたんだ。凄い剣幕じゃないか。」
エリザベス
「ここにある呪文書をいくつか譲って下さい。簡単なものでいいんです!」
(非力な私でも魔法を使えればみんなを助ける事が出来るかもしれない。いや、それくらい出来なくちゃ!)
エリザベスはジラウドから呪文書を譲り受けた。これからの冒険に少しでも力になるために。
するとそこにメアリがやってきた。
エリザベス
「メアリ!」
メアリ
「エリザも来てたんだ。ちょっと照れくさいんだけど...実はやってみたい事があって買い物に来たの。コレなんだけど...」
エリザベス
「意外ですけど、良いと思います!楽しみですね!」
その頃シンは鍛冶屋にて装備の生産や修理のための材料の買い出しにきていた。
シン
「あとは狼の毛皮。それとそこの鋼鉄のインゴットも1ダースもらおう。」
ベイランド
「わかった。かなりの重量だが大丈夫か?しかしカジートの鍛治師とは珍しいな。」
シン
「よく言われる。カジートがハンマーをふるうなど信じられないか?」
ベイランド
「そうじゃないさ。鍛治師を志す者がいるのは喜ばしいことだ。興味があればホワイトランにあるスカイフォージに行ってみるといい。稀代の名工、エオルンドグレイメーンがいる。何か得るものもあるだろう。」
シン
「ホワイトランのエオルンドグレイメーンか、覚えておこう。」
アンとインガルスはウィンキングスキーヴァーから食料を船に積み込んでいた。
コルプルス
「これで全部かー?」
アン
「ああ!これだけあればシンの胃袋にも足りるだろ。じゃ、船までヨロシク!」
インガルス
「へいへい。...おらっ!」
ゴロゴロ...
アンが荷車に飛び乗るとインガルスは悪態をつきながら荷車をひく。
各々の荷物の積み込みをすませるとソリチュード港に別れを告げた。
インガルス
「さて船長、どこへ向かう?」
メアリ
「このまま風を受けて西へ!ヨーソロー!」
一同
「アイ アイ サー!」
休息も束の間、夜明けとともに海へ出るメアリ達。風は西。静かな朝焼けの海へ帆を張るノーザンカーディナル号であった。
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