海賊船ノーザンカーディナル号は伝説の海賊シルバーの財宝を目指して亡霊の海を駆ける。メアリ達は財宝の手がかりを得るためソリチュードにある吟遊詩人大学へと向かった。
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メアリ
「ソリチュードに到着!」

インガルス
「長旅だったな。流石に疲れたぜ」

アン
「久しぶりだなぁ。コルプルスの旦那は元気してるかな。」

エリザベス
「大学のみんなも変わってないといいんですけど。」

アンとエリザベス、船に乗る前はソリチュードで暮らしていた二人。久しぶりの帰郷に心躍らせている。


港へ入港すると顔なじみが迎えてくれた。

マルシアン
「おおお、メアリか!メアリ、バニー!元気してたか!?立派になったな。いっちょ前に船長やってんのか?」
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メアリ
「マルシアンさん!久しぶり、変わらないね。はいコレ、停泊料。あとわたしボニーだから。バニーじゃ無くてボニーね。」
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メアリはノーザンカーディナル号を手に入れるキッカケをくれたマルシアンとの再会を喜んだ。近況報告がてらこれまでの冒険を話す。

マルシアン
「なに!?お前たち海賊になったのか?!」

メアリ
「まぁ、成り行きなんだけど。」

驚いたマルシアンは慌てて机に入っている手配書を見直す。だがメアリの手配書は無かった。

マルシアン
「あれ?無いな。海賊の手配書は優先的に俺のとこに届くんだが...そうか。まだこっちじゃ賞金が掛かってないんだろうな。」

メアリ
「そうなの?よかった。」

マルシアン
「そんな風に笑ってる場合か!ドーンスターならつゆ知らず!ソリチュードで海賊だなんて名乗ったら即投獄されるぞ。黙っててやるから他の奴に言うなよ!」

メアリ
「そうだね、危ない危ない。マルシアンさん、ありがと!」

マルシアンに別れを告げたメアリ達はソリチュードへ入る。

アン
「みんなは吟遊詩人大学へ行くんだろ?あたしはウィンキングスキーヴァーに行ってていいかい?コルプルスの旦那に挨拶したいし、今日の宿も取っとくからさ。」
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シン
「私もアンについて行こう。気になることがあるのでな。」

インガルス
「お前は腹減ってるだけだろ!」
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メアリ達は別れアンとシンはウィンキングスキーヴァーへ、他の3人は吟遊詩人の大学へとそれぞれ向かった。
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吟遊詩人の大学にて
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エリザベス
「ヴィエルモ学長、お久しぶりです。」

ヴィアルモ
「おお、エリザベスか。どうだ?海にでて見聞を広めることは出来たか?」
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エリザベスは学長のヴィエルモに図書室の使用許可を求めた。ヴィエルモはお前達の頼みならと快諾してくれた。

インガルス
「何だ?やけに待遇がいいじゃんか。コネでもあんのか?」

エリザベスはインガルスにメアリとの出会いの経緯を話した。メアリの勇気ある行動が吟遊詩人の大学、ひいてはソリチュードの歴史に大きく貢献したことも。

エリザベス
「ここが図書室です。あの時のオラフ王の詩歌やエッダ詩歌集もここに納められています。シルバーの宝島の原本があるとすればここしか考えられません。」

3人は早速司書のジラウドに尋ねる。

ジラウド
「宝島か。随分と古い文芸書を探しているんだな。確かあったはずだ。しばし待て。」
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3人は顔を見合わせガッツポーズ。しかしなかなか司書が戻ってこない。

インガルス
「やけに時間がかかるな。」

エリザベス
「ここには膨大な量の蔵書がありますから。もう少し待ちましょう。」

するとジラウドが慌てた様子で戻ってきた。

ジラウド
「すまん。宝島が...なくなっている。何度確認しても所定の位置に無いのだ。」
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インガルス
「おいおい、本当かよ!こんだけ広い図書室だ。あんたの記憶違いって事はないか?他の場所にあったりとかよ!」
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エリザベス
「いえ、司書のジラウド先生はとても几帳面、その上大変な記憶力の持ち主なんです。蔵書のリスト、それらの棚の位置、全てを記憶しているジラウド先生に限ってそれはありません。考えられるとすれば...」


メアリ
「誰かに盗まれた....」
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3人はガクリと肩を落とした。


エリザベス
「どこか他に古い書物を保管している所はご存じないですか?私たちどうしても宝島の本が必要なんです。」
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ジラウド
「そうだな、私の知る限りウィンターホールド魔術大学のアルケイナエイム図書館しかないだろう。だがそこは主に古代の魔導書の収集、保管を目的とする場所。文芸書の写本があるかと言われると...それに貴重、もしくは危険な魔導書もあると聞く。部外者が行っても開示はしてくれないだろう。」

メアリ
「残念だけど...仕方ないね。」

大学を出るころにはすっかり日が暮れていた。期待を裏切られ気を落とした3人はウィンキングスキーヴァーへ向かう。
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中へ入るとアンが部屋をとっていてくれた。3人の様子に驚くアンにメアリは宝島が盗まれていた事を話した。


シン
「まさか盗まれているとはな、流石に予想していなかった。」

アン
「でもさ!まだ完全に手がかりが途絶えた訳じゃないだろ?その...アルンンンンン図書館だっけ?そこにあるかも知れないじゃん!」

エリザベス
「アルケイナエイム図書館、です。部外者が中に入れてもらえるわけありません...。そもそも写本があるかどうかもわからないんですよ。」

メアリ
「まー、考えても仕方ないよ!とにかくいろんな場所をまわって手がかりを探そう。また長い航海になるし久しぶりのソリチュードでゆっくりしてさ。」

コルプルス
「そうさ!ゆっくりしていけよー。あんたがアニーが世話になってる船長さんだろ?若いのに立派じゃないか。今日は特別だ。食ってくれ!」
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インガルス
「そうだな。せっかくこんな美味いメシがあるんだ。楽しく食わなきゃ罪だぜ!シン、今日はおかわり自由だとよ!」

メアリ達は落ち込むエリザベスを励まし久しぶりの豪華な食事を楽しんだ。気づけば食卓には笑い声が溢れていた。
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食事を終え部屋に戻るメアリ達。ひと息ついた頃。
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メアリ
「ふー、おなかいっぱい!シンの食べっぷりすごかったね!

エリザベス
「ありがとうアニー。こんな豪華な食事、コルプルスさんに迷惑ではないですか?」

アン
「気にすんなって。あたしが言うのもなんだけどね。それよりさ、風呂、入るだろ?行こうよ。」
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メアリ&エリザベス
「お風呂!!」
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船の上では溜めた雨水で体を洗うのが精一杯だ。そんなメアリ達には風呂は宿泊時の大きな楽しみである。

3人はウィンキングスキーヴァーのカウンターから地下へつながる扉を通る。すると石造りの浴槽から湯気が立ち上っていた。早速3人は服を脱ぎ久方ぶりの湯に浸かる。
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エリザベス
「すごく立派なお風呂ですね。」
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アン
「最近作ったんだってさ。ソリチュード一の宿屋に風呂が無いのはどうかって。」
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メアリ
「海賊入り江の宿には無かったもんね。生きかえるよ〜。カーディナル号にもお風呂作れないかなぁ。」
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久しぶりの入浴に心身ともにリラックスする3人。つかの間の休息に長旅の疲れを癒す。
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その頃男部屋では...

インガルス
「聞いたか?シン。この宿には風呂があるんだってよ。でもって今メアリ達が使用中らしい。さっき入り口に入浴中の札が掛けてあった。」

それで?とシンは無関心だ。彼は入浴という行為に魅力を感じないらしい。

インガルス
「お前、真のノルドを目指してるんだろ!!いーか、こーゆー時はな、裸の付き合いをすることで交友を深めるのが真のノルドってもんだ!」

シン
「そうなのか?異性の風呂を覗くのは失礼にあたると教わったぞ。」

インガルス
「マジメか!!カジートのお前に言った俺がバカだった。俺は一人でも行くぜ。勝利か、ゾブンガルデかだ!!」
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鼻息を荒くするインガルスをシンは一応引き止める。しかしそんなものはお構いなしにタオルを腰に巻き、雄々しく風呂場へ向かうインガルス。コルプルスに見つからぬよう身を潜め、足音を殺し、そしてついにドアを開け、風呂場へ飛び降りる。


ガチャッツ



インガルス
「お邪魔しまー...」
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バキッ!!
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ドアが開き、インガルスが飛び降りてきた一瞬のタイミングでアンは浴槽から飛び出し彼の顔面へ飛び蹴りを見舞った。あまりの素早さにメアリとエリザベスは気づくのが遅れた。

インガルス
「ぐえぇ!」
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インガルスは意識を失いそのままあおむけに倒れた。

メアリ
「ちょっとアニー、やりすぎじゃない...?生きてる?」

エリザベス
「イングじゃなかったらどうするつもりだったんですか...。」
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アン
「入浴中の札を無視して入ってくるような奴、誰であれ同じようにしたさ。おおかた予想はしてたけどね。さ、そろそろあがって寝よ。」

その夜メアリ3人はグッスリと眠ることができた。シンも久しぶりの満腹感に満足し眠りについた。

翌朝

コルプルス
「おい、兄ちゃん。なんて場所で寝てるんだ。しかもそんな格好で!いくらノルドでも風邪ひくぞ、ゆうべ飲みすぎたのか?そろそろ朝メシの仕込みをするから起きてくれよ。」
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インガルス
「むにゃ...?なんで俺...こんなとこで寝てるんだ??服着てねえし.......イテテ!頭が痛い!俺としたことが二日酔いか。」

ブツブツと独り言をつぶやきながらタオル1枚で部屋に戻るインガルス。そんな彼を見て真のノルドとはなにか、複雑な想いにかられるシンであった。



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