初の海戦を、勝利で飾ったメアリ達はウィンドヘルムの港へ到着した。

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インガルス
「よーし、お前らウィンドヘルムは初めてだろ?俺が案内してやるからついて来い。」


メアリ・アン・エリザ
「は...は~い。」
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三人はガチガチと震えながら返事をした。雪吹雪くウィンドヘルムの寒さがこたえているようだ。


インガルス
「情けねぇなぁ。そんなんじゃ亡霊の海は航海出来ないぞ。まずはお前らのその格好を何とかしないとな。」
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インガルスはまずザリドの古物商を訪れた。三人はそれぞれ毛皮のマントを購入し、寒さ対策はバッチリだ。
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インガルス
「次はあそこだな。」


メアリ
「メエルーンズのカミソリを売りに行くんだね。」


インガルス
「まだ迷ってんのか?」


メアリ
「ううん、そうじゃないよ。でもコレが戦争に使われたりしたらデイゴンの狙い通りになっちゃう気がして。」


インガルス
「別にいいんじゃねえのか。ソレをお前が売ろうが売るまいが戦争で人が死ぬのは変わらねえだろ。売れば旅費がたんまり手に入るぜ。交渉は任せろ。」


しかしインガルスは武器屋には寄らず、広場へと足を向けた。


アン
「どこに行くんだ?鍛冶屋を通り過ぎたぞ?」


インガルス
「デイドラアーティファクトなんて普通の店じゃ買い取ってくれねえよ。買い取ったとしても安く買い叩かれて転売されるだけさ。このテのお宝はそのスジの奴と直接交渉する方がいいんだ。」


インガルスが立ち止まったのは市場の一角にあるハイエルフの女性が経営する雑貨店だった。


ニラナイ
「いらっしゃい。何か御用?」
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インガルス
「よお、買い取ってもらいたいもんがある。取り敢えず見てくれ。」

インガルスはメアリに目線で合図を送る。メアリはペコッと頭を下げメエルーンズのカミソリを陳列棚へ置いた。
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ニラナイ
(これはまさか...素晴らしい!)


インガルス
「上物だろ?そのダガーはメエルーンズのカミソリ。その名の通りデイドラロードの1人、メエルーンズデイゴンの加護の宿るデイドラアーティファクトだ。あんたならいくら値をつける?」


カミソリを手に取ったニラナイは必至に平静を取り繕うが指先の震えを止めることは出来なかった。滅多に目にかかれないお宝なのだ。


ニラナイ
「そうね、何を基準に値段をつけたらいいか...。譲って貰えるなら金貨100枚出すわ。」
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アン
「ひゃ、100枚!?金貨100枚!?」


エリザベス
「デイドラアーティファクトってそんなに価値のあるモノなんですね。」


メアリ
「.......」


インガルス
「悪くねえが、もっと高く取れるだろ?何とかなんないのか?」


ニラナイ
「これ以上は出せないわ。元手の資金が無いもの。正直私の手に余る代物だわ。」


インガルス
「残念だな。それなら頼みがあるんだが、ストームクロークのなるべく階級が上の奴と直接話がしたい。誰か紹介してくれ。奴らなら絶対欲しがるだろうし、資金もたんまりあるハズだ。」


ニラナイは渋々ではあるがその場で一通の紹介状を書きインガルスに渡した。四人はニラナイの店を後にし、紹介状に書かれた人物の元へ向かった。


メアリ
「ねえイング、あの人に売るつもりで来たんじゃないの?」


インガルス
「もっと高く買ってくれるところはあるさ。今から行くところとかな。」


アン
「でもストームクロークが武器なんか買うか?誰に声かければいいかもわかんないし。」


インガルス
「買うさ。そのためにニラナイの店に寄ったんだ。始めから紹介状を書いて貰うのが目的だったんだ。」


エリザベス
「イングはニラナイさんがストームクロークと繋がりがあるのを知っていたんですか?」


インガルス
「ノルド以外の種族への差別が激しいこの街で市場に店を出してるってだけでニラナイが何かしらのコネを持ってると思ってた。特にエルフやアルゴにアンには住みにくい街だからな。あとはコイツがどれほどの地位を持ってるかだ。」


インガルスは紹介状に目をやり話を続けた。

インガルス
「ニラナイは一見普通の雑貨商だが、裏じゃ盗品の売買もやってる。俺たち海賊は世話になる事も多いからな。覚えとけよ。」


インガルスの言葉にメアリ達は顔を見合わせ首をかしげる。どうやらインガルスはノーザンカーディナル号が海賊船だと思っているようだ。


会話をしながら歩くうちにストームクロークの拠点へ辿り着いた四人。紹介状に書かれている人物を訪ねる。


ストームクローク将校
「確かにニラナイの紹介状だ。だがデイドラアーティファクトとは...素晴らしい戦力になるぞ。報酬は上官に確認し、遣いを出す。宿でもとって2、3日待っていてくれ。」
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メアリ
「........」


インガルス
「頼むぜ。値段によっちゃ帝国軍に持ち込んだっていいんだからな。だが俺もノルドの一人としてなるべくあんた達に使ってもらいたいからよ。それと俺たちは船で来たんだ。港に停泊してるから連絡はそっちに頼む。」


ストームクローク将校
「任せろ。真のノルドたる諸君の協力に感謝する。(ふん、ゴロツキ風情が大きな口を叩く。)」



メアリ
「ごめんなさい!やっぱりコレは譲れません!失礼します!みんなもゴメン!行こう。」

インガルス
「おいメアリ!ちょ、待て!おい!」



ストームクローク将校
「お、おい!」


メアリは突然走り出しその場から逃げるように立ち去った。突然の行動に驚きながらも三人もメアリの後を追う。



ストームクローク将校
(クソ!うまくあのデイドラアーティファクトを手に入れられれば昇進出来たかも知れないのに!いや....むしろ好都合かも知れんな?)
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残されたストームクローク将校はあっけにとられていたがすぐさまある計画を思いつき、怪しい笑みを浮かべた。


メアリ達は灰色地区の酒場にて夕食をとっていた。インガルスはメアリに先ほどの行動の真意を問いただす。
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インガルス
「さっきのは何だよ。いきなりどうしたんだ?まさかまだ迷ってんのか?」


若干声を荒げるインガルスにメアリも強い口調でこたえる。


メアリ
「いきなりあんな事したのは謝るよ。ゴメン。でももう決めた!メエルーンズのカミソリは売らない!私が管理する。」


インガルス
「金貨100枚以上の価値があるんだぜ?それだけ資金が入りゃこれからの冒険も楽になるだろ!何が不満なんだ!」


アン
「イング!船長のメアリがそう言うんだから仕方ないよ。」


メアリ
「ニラナイさんもそうだったけど、あのストームクロークの人から悪意のようなものを感じた。メエルーンズと交信したサイラスさんみたいな。それを見てこの人たちには、ていうか誰にも渡しちゃいけないんだって思ったんだ。だからコレは私が管理する。私も含めて誰にも使わせない!」
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エリザベス
「私もメアリに賛成です。アレは世に出してはいけない気がするんです。」

インガルス
「甘いな。海の上じゃシビアにいかないと食い物にされるぜ?...だがそこがお前らの魅力なのかもな。」
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インガルスは苦笑いを浮かべながらため息をついた。


インガルス
「そうと決まればこの街に用はないかもな。腹ごしらえも済んだし、船に戻って航海の計画をたてようぜ。」


四人は船へ戻ろうと港を歩いていた。するとメアリはアルゴニアンの女性に目をとめた。その女性はこの寒空の下、軽装でただひたすら革をなめしていた。メアリにはそれが放っておけなかった。
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メアリ
「あの....どうしてこんな時間に、こんな場所で働いてるの?風邪ひくよ?」


インガルス
「あのバカ!」


そのアルゴニアンの女性の名はシャーヴィー。ウインドヘルムへやって来たものの、ノルドからの差別にあい劣悪な環境で労働を強いられているという。しかもいつかこの生活から脱することを願ってなけなしの金で購入した、ゼニタールのアミュレットを山賊に奪われてしまったらしい。
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アン
「メアリが何を言おうとしてるか、当てようか?」


メアリ
「アニーの言おうとしてること....多分当たってるよ。私、山賊からアミュレットを取り返してくる!」


インガルス
「やめとけ!いくらなんでも余計な世話だろ!こんなご時世だ。困ってる奴なんて山ほどいる。いちいち手助けしてたらシルバーの財宝にいつまでたってもたどり着けないぞ!」


メアリ
「でも!ほっとけないよ!」


インガルス
「いいか?ノルドの中には自分達こそがスカイリムの支配者だとのたまう連中がいるが、この街はそんな奴らが特に多いんだ。」
「そのノルド至上主義とやらによってこの街じゃエルフは冷遇され、アルゴニアンに至っては街の中に住むことすら許されない。お前があのアルゴニアンに手をかしたところで、アイツの生活はかわらねぇんだよ!」
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メアリ
「それでも!シャーヴィーさんの心の支えを奪った盗賊団は許せないの!」




アン
「やめなよ二人とも。イング。メアリが一度言い出したら聞かないのはさっきの件でわかったろ?アタシ達はそれも踏まえてメアリについて来たんだ。」

イング
「船は!?山賊のアジトに行ってるあいだ船はどうする?!」

メアリ
「船はみんなに任せるよ。コレは私のわがままだし、私が一人で行く。」


エリザベス
「いくらメアリでも一人では危険です!」

アン
「アタシがついてくよ。メアリはアタシが責任を持って守る。イングとエリザは船を頼む。」
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メアリ
「アニー...ありがと!心強いよ! エリザ、イング、船はお願いね。それとイング!一等航海士のあなたにカミソリと船を預けます。私たちが戻らなければイングが引き継いで!」


インガルス
「わかったよ...わかったからとっとと盗賊なんか蹴散らして戻ってこい!お前の宝は俺が護っててやるからよ!」



メアリとアンが微笑む。エリザは強く頷き自分に任された責任を感じていた。イングは照れくさそうな様子で手をヒラヒラと振った。