ソリチュードを出た三人は進路を西に向けた。死者の安息所はソリチュードの南にあるが、道中深い渓谷があるため西から迂回しなければならない。三人はまずソリチュードの西にあるドラゴンブリッジを目指すことにした。



メアリ「ここがドラゴンブリッジかぁ」
TESV 2015-10-14 22-26-14-57


帝国兵
「邪魔だ、どけ!その身なり...旅人か。この近くでストームクロークがキャンプを張っているとの情報がある。気を付けろよ。」

アン
「兵隊がイッパイだねぇ。感じわる。あれで警告のつもりかっつーの。」


エリザ
「ここドラゴンブリッジには帝国軍将校のペニトゥス様の前線基地がありますから出撃頻度の高い村でもあるんです。みんなピリピリしているんでしょう。」

メアリ
「宿屋があるよ。ちょっと休憩しよっか。」
三人は宿屋フォーシールズで軽食をとった。同時にこれからのルートを決める。


メアリ
「地図通りにいくならこのままドラゴンブリッジを渡って川沿いに南下するんだよね?」

アン
「まぁそれが一番かな。」


エリザ
「いえ、ある程度南に進んだら山道を行きましょう。街道をそのまま進むと山賊の砦があります。そこは追いはぎ峡谷と呼ばれていて旅人が襲われる事件が多発しています。無事に通過出来るとは思えません。」


アン
「山賊なら賞金がかかってるかもよ?メアリは金が必要なんだろ?殺っちゃう?」

メアリ
「うん?いや、いいよ。今の私たちの目的はオラフ王の詩歌だし、それに集中しよう。」

アン
「わかったよ。」

エリザ
(アニーのあの自信はどこから...昔は何をしてたのかしら。)


山賊の賞金はメアリには魅力であるし、アンが居れば戦力的には申し分ないだろう。しかし今はエリザを連れている。無茶は出来ない。


フォーシールズを出た三人はこの村の名の由来となった橋、ドラゴンブリッジを渡る。

メアリ
「わぁお!凄くいい景色!二人もこっち来てみなよ!」

エリザ
「この橋はその名の通りこの竜の頭のデザインから名付けられたのですが、いつの時代に造られたものなのか正確にはわかっていないそうですよ。」


アン
「あんた結構物知りだね。」


エリザ
「吟遊詩人として各地を渡り歩くのが夢でしたので。地理や歴史を少しかじっているんですよ。」


三人はそのまま南下し、山を越え、ついに死者の安息所に辿り着いた。



エリザ
「着きました。ここが死者の安息所です。くれぐれも無理はしないで下さいね。」

メアリ
「わかってる。行こう。」

死者の安息所に足を踏み入れた三人は恐る恐る奥へと進む。始めに声を上げたのはエリザだった。


エリザ
「ひっ!!」

悲鳴をあげたエリザの指差す先には松明を持った男の霊が立っていた。その霊は三人を見ると踵を返し、格子の間をくぐり抜けて行った。

メアリ
「...何かな。今の。」

アン
「追っかけようにも格子が降りてて進めないな。」


エリザ
「あの...この爪のような物は一体何でしょう?」


メアリ
「この爪...これルビーで出来てるよ!お宝じゃん!」

宝石に目がないメアリの鑑定はハズレない。まごう事なきルビー製の爪だ。非常に価値のあるものだろう。メアリは爪を持ち帰ろうと手を伸ばした。

アン
「ダメだ!メアリ、やめろ!」

アンの呼びかけも虚しく遺跡のトラップが発動する。部屋の四方からドラウグルが湧き出てきた。
TESV 2015-10-15 00-18-25-54

エリザ
「きゃ...きゃああ!」


アン
「遺跡の宝にはうかつに手を出しちゃいけない!常識だろ!」


メアリ
「ゴメーン!何とか頑張って!」


エリザは激しく後悔した。今まで学長が雇ったトレジャーハンター達と同じ末路をこんなにも早く辿ることになろうとは。やはりあの時強引にでも引き止めておけばと。しかし...
TESV 2015-10-15 00-22-30-84

ザンッ!
エリザが覆っていた顔を上げるとあれだけいたドラウグル達が全滅している。しかも二人ともほぼ無傷だ。メアリはルビーの爪をカバンにしまい込んでいた。アンに至っては戦利品を物色している。


アン
「この盾と斧もーらいっ!コッチの方が得意なんだよね。それはそうと...やるじゃんメアリ。思ってた以上だよ。」

メアリ
「アニーもね。やっぱり昔はけっこうヤバイことやってたんじゃないのぉ?」


アン
「そんなことよりエリザ、ケガない?それにほら!格子が上がってる!通れるぞ!」

またもやアンは自分の過去をはぐらかしていたが、この二人と一緒なら本当に攻略出来るかも知れない。この時エリザは二人の想像以上の実力に安堵していた。


三人はその後もワラワラと湧き出るドラウグルを倒し、仕掛け扉をくぐり、順調に遺跡を攻略していった。この部屋に辿り着くまでは。

TESV 2015-10-15 00-24-16-30

ジャキン...ジャキン...
大量のドラウグルを倒したのも束の間、三人を殺人トラップが待ち受ける。幾重にも重なった大きな刃が振り子のように侵入者を手招きしている。


エリザ
「こ...ここを通り抜けるんですか?」


メアリ
「これは多分...食らったらゾブンガルデ一直線だね。」

通路に残るおびただしい量の血痕がこのトラップに足を踏み入れた物の末路を物語っている。言葉を失う二人。しかし一人だけこの状況でも進行を諦めていない人物がいた。


アン
「私が行ってこのトラップを止めてくる。振り子の刃を抜けた先に鎖があるだろ?あれを引けばこのトラップは止まるはず。そしたら二人も来ればいいよ。」


アンは振り子の揺れと呼吸のリズムを合わせタイミングを計る。二人が心配そうに見つめる中、アンが動いた。


刃に臆することなく正確に間をすり抜けていく。

アンが罠を解除すると残った二人は合流し、歓声をあげた。


メアリ
「やっぱ動きが一般人じゃないよ!」

エリザ
「アニーの過去に一体何があったんですか?」

アン
「まぁいいじゃん。今は関係ないだろ?オラフ王の詩歌を探すよ!」


先ほどのトラップがこのダンジョンの山場だったらしく大きな問題もなく攻略していく三人。


魔法障壁で封印された扉を前に一旦歩みを止める。

メアリ
「いかにもな扉だね。」

アン
「流石の私でもこの手の封印は解除出来ないな。魔法で来られるとお手上げだよ。」


エリザ
「あれを!入り口にいた霊ですよ!」
その霊は扉を通るのではなく階段を降りていった。まるで三人を導くかのように。


霊に導かれるままダンジョンを進んでいくと白骨化した死体とその隣に座り込む霊がいた。その死体は一冊の本を大事に抱えている。

エリザ
「オラフ王の詩歌!」

アン
「何でガイコツがもってるんだ?この死体がジラウドさんの言っていたオラフ王の詩歌を書いた吟遊詩人か!」

メアリ
「てことはあなたがスヴァクニールさんなんでしょ?あなたの持っているオラフ王の詩歌を譲って貰いたいの。いいかな?」
TESV 2015-10-15 23-44-36-44

エリザ
「お願いします!エッダ詩歌集に戻し、私たちが大切に保管しますので!」


メアリとエリザの問いかけが通じたかは定かではないが、男の霊は三人の前から姿を消した。


エリザ
「ありがとうございます。」

エリザはそっとスヴァクニールの亡骸からオラフ王の詩歌を取り、三人は彼の冥福を祈った。詩歌を手に入れた三人はもと来た道を引き返す。するとメアリがある異変に気付いた。


メアリ
「扉が空いてる!」


アン
「まさかさっきのスヴァクニールが封印を解いたのか?」


エリザ
「おそらくこの先にはオラフ王の埋葬室がある筈です。オラフ王とその側近達が永遠の眠りについているのでしょう。彼の財産とともに...」


そこまで言ってエリザはハッとした。またしてもやってしまった。エリザの嫌な予感はもちろん的中する。


メアリ&アン
「財産??!!」

二人は目を輝かせて扉の奥へ視線をやった。詩歌は手に入れたのだ。これ以上この遺跡に留まる理由は無い。だがエリザには二人を止めることは出来なかった。

アン
「随分と厳重だね。」


扉の奥へ進むと大きな仕掛け扉が道を塞いでいた。埋葬室へ至る道の険しさから隠された宝への期待も高まる。


メアリ
「これはどういう仕掛けなんだろ。この三つの輪が回転するみたいだけど。」

アン
「それぞれの輪に動物っぽいシンボルがあるね。それを何かに合わせるんだろ?」


エリザ
「こんな仕掛けはこのダンジョンで初めてですね。何か特別な意味があるのでしょうか。もしこれが最後の扉だとすれば、最初と最後の部屋だけ仕掛けによって塞がれているという事に...。」

メアリ
「最初の部屋はこの爪を台座から動かしたら扉が開いたんだよね。」


メアリは最初の部屋で手に入れたルビードラゴンの爪を取り出して見せた。

エリザ
「この扉の中央の円盤にちょうどこの爪の先端がはまりそうな穴が空いてますね。」

メアリ
「え!うそ!?ホントだ!」


アン
「その爪の腹にある装飾、この扉のシンボルと同じじゃない?」

メアリ
「うわ!同じだ!という事は...」



ガチャン!ゴゴゴゴゴ...

扉の謎を解いた三人は顔を見合わせ、仕掛けを解除した。ついにオラフ王の埋葬室へと辿り着いたのだ。中央には先程のスヴァクニールの霊、そして周囲にはざっと20体以上のドラウグルが眠りについている。

スヴァクニール
「オラフ!時が来たぞ!」


最奥の棺に向かってスヴァクニールの霊が叫ぶ。すると侵入者を排除せんと周囲のドラウグルが目を覚まし、スヴァクニールとメアリ達三人に狙いを定めた。
TESV 2015-10-16 00-15-22-02


エリザ
「きっとスヴァクニールはオラフ王との因縁に決着をつけるつもりなんだ。でも彼一人じゃ...」


メアリ
「エリザは下がって!アニー、スヴァクニールさんの援護を!」

アン
「オッケー!任せな!」

激しい乱戦の末メアリ達はついにオラフ王配下のドラウグル達を全滅させた。しかし流石のメアリとアンでもかなりのダメージを負ってしまった。

エリザ
「二人ともケガは大丈夫ですか?!」

メアリ
「な...何とかね。スヴァクニールさんは...ってあの人は幽霊だから平気なのかな」


アン
「いや、スヴァクニールも消耗してるみたいだ。今のうちに回復薬を使って...」


バンッ!!

三人の会話を遮り大きな衝撃音とともに棺のフタが宙を舞った。

メアリ
「ボスの登場ってわけね。」

棺からゆっくりとオラフ王がその姿を現した。ドラウグルとなった今でも、かつて王であった威厳と貫禄が見てとれる。

スヴァクニール
「甦れオラフ!復讐の時だ!」
TESV 2015-10-16 00-15-05-01


隻眼のオラフ王
「まこと、愚かな吟遊詩人よ。今度こそゾブンガルデへ送ってくれるわ。そこの侵入者共、うぬらも生かしては帰さぬ。覚悟せよ。」

メアリ、アン、スヴァクニールの三人対オラフ王の戦いが始まった。数的有利な状況ではあれど各々の消耗やオラフ王の戦闘能力を加味すると決して油断は出来ない。


アン
「うぉら!」
アンの突進を合図に戦闘開始となった。三人の同時攻撃を受けつつも圧倒的なタフさで耐えるオラフ王。逆に生身であるメアリとアンは一撃でも当たりどころが悪ければ致命傷となる。
オラフ
「...ロ...ダー...!!」

ドンッ!!


オラフ王が叫び声を上げた瞬間、三人の体を衝撃波が襲い吹き飛ばした。


メアリ
「何なの今の...痛っ...!」


一瞬何が起こったのか理解出来ないメアリであったが、すぐさま感じる激痛によって自分の状況を理解した。武器を構えたオラフ王がメアリに迫る。メアリは先ほどの衝撃で身体がしびれて動けない。

ガキイィィィン!


スヴァクニール
「オラフ!お前の相手は私だ!」

横からスヴァクニールがオラフに斬りかかった。オラフも応戦するが霊体であるスヴァクニールに直接攻撃は効果が薄い。


エリザ
「二人とも大丈夫ですか?」

隙をみてエリザが駆け寄ってきた。


メアリ
「エリザ!私たちは大丈夫だから...早く安全なところへ」


エリザはメアリの身体に手をかざし、回復呪文を唱えた。同じようにアンにも回復呪文をかける。


アン
「エリザ、あんた回復呪文使えたの?」


エリザ
「というかコレしか出来ないんですけどね。あと一息です。頑張って下さい!」


メアリ
「ありがとうエリザ!後は私たちに任せて!」


回復した二人はスヴァクニールと合流しオラフに波状攻撃をかける。そして遂にその時は訪れた。何度目だろうか。数え切れないほど放ってきたメアリの斬撃がオラフ王の動きを止めた。オラフ王は階段から転げ落ち、完全に沈黙している。メアリ達の勝利だ。

アン
「ぃよっしゃああああ!」

メアリ
「やったね、アニー!エリザ!」

三人の少女は互いに抱きあい喜びを分かち合った。気がつくとスヴァクニールの霊は消えている。

エリザ
(スヴァクニールさん...オラフ王を倒したことで晴れてゾブンガルデへ逝けたのかしら。あなたの詩歌は私達が責任を持って後世に伝えます。どうか安らかに。)

アン
「さぁて、戦いの後は...っと。あったあった。メアリ!はいコレ。」

アンはオラフ王の骸からオラフ王の宝の鍵を手に入れた。


メアリ
「わお!お宝ご対面だね〜。」


棺の隣にある宝物庫の扉を開けると大きな宝箱が三人を待っていた。メアリは意気揚々と鍵を差し込み捻る。

ガチャン!

と小気味良い音が響くと長年開かれることのなかった箱がギギィと音を立てながらその中身をさらした。

そこには大量のアレッシア銀貨が保管されていた。ざっと見て1000セプティムくらいは価値があるだろう。


アン
「やったじゃんメアリ!コレであんたの船の改築が出来るんだろ?」


メアリ
「うん。でもコレは皆で手に入れたお宝だから三人で公平に分けよう。」
TESV 2015-10-16 00-21-28-20


エリザ
「メアリ...とにかくソリチュードに戻りましょう。二人のケガの手当てもしないと!」


三人はオラフ王の詩歌と宝を手に入れ満足気にソリチュードへの帰路についた。