乗組員を雇うため船室の増築を目指すメアリ。しかし、そのための資金調達は中々上手くいかないのであった。

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メアリ
「どうしよ。ぜーんぜんお金貯まんないよぉ。」


メアリはソリチュードの宿屋ウィンキングスキーヴァーにて夕食を摂っていた。手持ちの2,000セプティムに加え、船室の増築にはあと1,000セプティム、計3,000セプティムが必要だ。ここ数日の成果はワイン二本と海賊退治の報酬250セプティム。生活費も考えると決して大きくプラスになっているとは言えない。

???
「あんたがメアリ?ここ、いいかい?」
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考え込むメアリに一人の女性が話しかけてきた。


メアリ
「そうだけど、他にも席空いてるよ?」


アン
「あんたに用があんの。私はアン。アニーって呼んで。ここでウェイトレスやってるんだ。エヴェットさんに聞いたよ。あんた仕事を探してるんだって?」
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メアリ
「仕事っていうか、お金が必要なの。1,000セプティム。」


アン
「1,000セプティムかー。そりゃーちっと大変だね。何でそんなにお金必要なの?」


メアリ
「亡霊の海を冒険したいんだ。船は手に入れたんだけど、乗組員とその生活スペースがまだでね。増築にはあと1,000セプティム必要なの。」
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アン
「亡霊の海?そりゃまた物好きだねぇ。っとそんな事を言いに来たんじゃなかった。あんたに仕事を紹介しようと思って来たんだ。報酬は期待していいよ。」


アンの話によればソリチュードで一番の高級洋服店レディアント洋服店でモデルを探しているという。メアリはモデルなど自分に務まるのかと不安になりながらも報酬目当てで洋服店へ顔を出す。
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ターリエ
「こんにちは!お買い物にいらしたの?値段を聴きたいなら他所へ行ってね。私たちは普段ソリチュードの権力者相手に商売をしてるんだけど...特別にあなたにも売ってあげるわ。」
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メアリ
「ウィンキング・スキーヴァーのアンさんの紹介で来たんですけど。」


ターリエ
「あら、そうだったの。随分とその...服が破れたりしてるものだから...ついね。エリザ!仕事よ!」


メアリは思った。「帰りたい。」彼女はどうもこの手の高級志向というか悪気が無いのに他人をけなしてしまう人種が苦手だった。


エリザベス
「ど、どうもすみません!お気を悪くしないで下さい。わぁステキ!あなたならきっとよく似合うわ。」
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突然現れ感激しているブレトンの少女にメアリは困惑した。自分の容姿を褒められるのに慣れていなかったからだ。

メアリ
「えと...あの...アンさんの紹介で...モデルを探してるって。」


エリザベス
「あ、そうなんです!うちの店の服を首長に見てもらいたくて...首長が気に入れば大口の注文が来ますから大きな利益になるんです。そのためのモデルをアンさんにお願いしたんですけど、断られちゃって。」
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メアリ
(そういうことか。確かにアンさんもキレイな人だ。)


エリザベス
「あなたが代わりに引き受けてくれるってことでいいんですよね?えっと...」


メアリ
「私はメアリー・ボニーよ。メアリって呼んで。あなたは?」


エリザベス
「私はエリザベスといいます!エリザベス・ターナー。エリザでいいです。よろしくお願いします、メアリさん。」
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エンダリー
「エリザベス!無駄口はいいから早く支度なさい!」
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エリザ
「は、ハイ!只今!さぁメアリさんこちらへどうぞ。早速仕立てに入りますね。」


メアリ
「今の人雰囲気悪いね。店主さん?」


エリザ
「はい。あの方はエンダリー様といって、先程のターリエ様と姉妹でこの店を経営しているんです。あっ!嫌な気分にさせてしまったら謝ります!仕立ての腕は確かなんですが性格にちょっと難がありまして」


エリザと小声で話をしているうちに仕立てが終わった。確かに素材や装飾の一つをとってみても高級感が見て取れる服だ。


エリザ
「メアリさん!よくお似合いですよ!」
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メアリ
「そ、そうかなー。なんか照れるなぁ。」

お洒落などあまりする機会のないメアリは自分がこの服に見合っているのか判断がつかなかった。


エンダリー
「あら、中々良いじゃないの。さすがはウチの服だわ。」
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あくまでも服が良いのだと言わんばかりのエンダリーの感想をエリザベスは気まずい思いで聞いていた。


エリザ
「で、ではエンダリー様、ターリエ様。行って参ります。」


エリザベスは一刻も早くこの店を出たかった。とにかくあの二人にこれ以上感想を言わせてはダメだと判断したのだ。


メアリ
「あー腹立つ!何なのあの態度!そりゃあ私はお金も無ければお洒落でもないけどさ!」

エリザ
「本当に申し訳有りません。メアリさんは本当にステキですよ。どうか気を悪くしないで下さい。」

ブルーパレスへ行く道中メアリとエリザは互いの事を話した。ちょうど吟遊詩人の大学の前を通る頃。
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メアリ
「何でエリザはあんな所で働いてるの?エリザだってすんごくカワイイのに。」


エリザは立ち止まり、吟遊詩人の大学を見上げた。
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エリザ
「私、この大学の吟遊詩人なんです。ですがまだまだかけだしでどこにも雇って貰えなくて。途方に暮れていた所、今の店の従業員募集の貼り紙を見て応募したんです。語り部として歴史や叙事詩を歌い継ぐのが夢だったのに...何をやっているんでしょうね。」
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エリザ
「メアリさんは旅の人と聞きましたが、オラフ王の焚刑祭はご存知ですか?」

メアリ
「うん、聞いたよ。でも今年は中止なんだよね?首長が禁止したとか。」
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エリザ
「オラフ王の焚刑祭はソリチュードの歴史に関わる重要な祭事なんです。ですがその事を首長に理解して頂くには失われたオラフ王の詩歌を読み解く必要があるんです。」


エリザはブルーパレスへと歩みを戻した。それに合わせてメアリも歩き始める。

メアリ
「じゃあそのオラフ王の詩歌があればお祭りを開催出来るかも知れないんだ?あ、でも何処にあるかわからないのか。」

エリザ
「いえ、在りかの見当はついているんです。大学の歴史研究家の先生の調べで死者の安息所という古い遺跡にあるのではないかと。」


メアリ
「大昔に失われた詩歌の一部が遺跡にねぇ。ロマンだねぇ。どうして誰も取りに行かないの?」


エリザ
「オラフ王の詩歌が発見されれば歴史的大発見になります。学長のヴァエルモ先生は名うてのトレジャーハンターを雇い真偽を確かめようとしました。ですが、、」
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メアリ
「ですが?」



エリザ
「戻ってきた人はいません。誰一人。さあ、着きましたよ。ブルーパレスです。首長のエリシフ様に失礼のないようにしなきゃ、緊張しますね!」
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エリザは意図的に話題を変えているように見えた。足を踏み入れたが最期、生きては戻れぬ遺跡に眠る古の王の詩歌。この一節に、メアリは胸の高鳴りを感じながら、ブルーパレスの扉を開いた。
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メアリ
「綺麗...!」

ブルーパレス内部はソリチュードの宮殿にふさわしく、高級な調度品に彩られ美しく上質な空間がメアリを驚かせた。


エリザ
「私はここでお待ちしておりますのでここからはお一人でどうぞ。階段を登った先の謁見の間にエリシフ様がいらっしゃいます。頑張って下さい!」
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謁見の間では市民らしき男がエリシフに何やら報告をしていた。ウルフスカル洞窟で何かがあったようだ。
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ファルク
「次!レディアント洋服店、前へ!」


メアリ
「はい!」


突然呼ばれメアリは上ずった声を上げた。ぎこちない動きでエリシフの前へひざまずく。


首長エリシフ
「本日はどういった要件かしら?」
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メアリ
「は、はい!この度レディアント洋服店の品質をご覧いただきたく参上致しました!つきましては私が今着ているこの服、お気に召しましたら是非ブルーパレスとの専属契約をさせて頂きたいのです。」


エリシフ
「そういうことですか。とても素敵だと思いますよ。モデルが良いのかも知れませんね。わかりました。今度の舞踏会のドレス、レディアント洋服店に発注しましょう。他には何か?」
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メアリ
「ありがとうございます!も...もう一つだけいいですか?」

エリシフ
「何でしょう?」

メアリはしばし沈黙した後、顔を上げエリシフの目を見て口を開いた。


メアリ
「今年のオラフ王の焚刑祭は首長の命令で中止になると聞きました。私は旅の者ですがこの街の民は皆、祭りを心待ちにしている様子。何故今年は中止とされたのですか?」
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ファルク
「貴様!首長の御前で出過ぎた事を言うな!」
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エリシフ
「よいのです、ファルク。旅の者というならオラフ王の焚刑祭がどういった祭りか知らぬようですが、祭りの中で民が王の彫像を燃やす場面があります。それはストームクロークの指導者、ウルフリックストームクロークに上級王トリグが殺された我々ソリチュードの者にとっては王の死を連想させる大変不快なものであると判断しました。祭りがしたいと言うなら別の催し物を考えましょう。」
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メアリ
「不快ですか...。ですが私がお会いした方たちは皆今年の焚刑祭の中止をとても残念に思っていました。この街の歴史とも大きく関係のある祭りであると」


ファルク
「無礼者!もういい退がれ!以前にも吟遊詩人共が同じような事を言いに来おったが、オラフ王の詩歌が発見されていない以上、歴史的な証拠は無い!故に首長の判断は覆らない!専属契約書はこちらから店に使いをだす。これ以上口を出すようなら不敬罪でひったてるぞ!」


執政のファルクの剣幕にメアリは言葉を発することが出来なかった。エリシフはメアリから目を逸らしこれ以上の会話を拒絶した。


エリザ
「どうでしたか!?上手くいきました?」
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メアリ
「うーん、服は気に入ったからドレスは発注してくれるって。でもその後何で祭りが中止なのか聞いたら執政の人に怒られちゃった。」



エリザ
「そ、そんな事首長に聞いたんですか!?よく無事でしたね。エリシフ様は旦那様であるトリグ様が殺害された事をまだ引きずっておられるんです。だから王の彫像を火あぶりにする焚刑祭を中止にしたっていう噂ですよ。」


メアリ
「首長にとっては心の傷...トラウマみたいなものか。確かに不謹慎だったなぁ。」



二人はレディアント洋服店に戻り、ターリエ姉妹にドレスの専属契約の報告をした。ターリエとエンダリーは大層喜びメアリに報酬を払った後、店番はエリザベスに任せ自室にこもりドレスのデザインを始めた。
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メアリはエリシフの気持ちを考え自分の無神経さを反省しつつ、それでも個人の感情で歴史ある祭りを無くしてしまうのもどうかと思い、心の中で葛藤していた。